1カ月間毎日、多摩動物公園に行ってみた。18日目

 こんにちは、もし多摩動物公園に友達のおばあちゃんと行くことがあれば、ぜひここに訪れてほしい。

 何てったて冷房ガンガンで快適なことこの上ない。じいちゃんやばあちゃんなどは、現代の暑さに適応しきれていない場合が多いので、下手をすると虫の息、もっと下手をすればご臨終なんてパターンもあるかもしれない。多摩動物公園で絶命してしまうと、猿山から脱出したサルが一匹死んだと勘違いされてしまい、葬儀もろもろがおざなりにされるかもしれぬので、これはまずいと感じたら昆虫館へ急いで避難しよう。

 ただ、昆虫が苦手な方であれば話は違ってくる。館内には、嫌われ者ランキングぶっちぎり第一位のゴキブリ君が飼育されており、虫がそんなに苦手でない1カ月マンでもぞわぞわしてしまい、普通にムカついてしまった。

 この文章を書いているたった今深夜一時ごろ、視界の隅に小さな黒い影が素早く動いたのを捉えたのでよーく見てみるとちゃんとしたゴキブリがこちらを見つめていた。

ゴキブリと出会うときは基本的に、何かの気配を察知し、移動する黒い点を視界のギリギリでとらえた後、奴と目が合い数秒時間が止まる、という流れをいつも繰り返しているがあれなんだろう。向こうも映画のワンシーンみたいだなーとか思いながら、お互いの時が流れ出した瞬間に脳内BGMを爆音で流したりしているのだろうか。ちなみに私は、ビートたけしや、たけし軍団が消火器を噴射しながらどこかの部屋に乱入していくときに流れる「デーデーデー、デーデーデー、デーデーデー、デーデーデ、デーッデッ

ッデッデー」という音楽を流しながらゴキジェットを噴射している。

 虫も殺さない優しい人間がたまにいらっしゃるが、あれは大変素晴らしい心構えだと思う。もしこのような聖人が、「じゃあ牛や豚は食ってるのはどういうことだ!」と問われれば、「生きるための殺生はやむおえません。気持ち悪いからと言って殺すのとはわけが違います。」と答え、「一寸の虫にも五分の魂というがあれはどういう意味だ!」と問われれば「どんなに小さく弱い者でも、それ相応の意地や感情があり侮ってはいけない。翻ってすべての命に敬意を持ちましょうという意味でございます。あなたの命と同じように」と答え、「お前いい奴だな、来月どっかタイミング会う日あったらお前の最寄駅まで行くからのもう!まじでいつでもいいから!いつ空いてる?」と問われれば、「来月いっぱいは友達のペットのマンチカンを預かる予定がある故、無理でございます。」と答えるだろう。

 「じゃあお前の家で飲みでもいいけど、てか、いやだったらいってね、無理やりっていうのも申し訳ないし!」とLINEで問われれば、既読無視して一カ月後にブロックするだろう。ありがとうございました。