1カ月間毎日、多摩動物公園に行ってみた。3日目

暑い日が続きますが皆様体調にはお気を付けください。

多摩動物公園は今日も大盛況です。

坂道が多く、夏にデートに来るにはもってこいな施設ですので、ぜひとも8cmのピンヒールをはいて、駆ける恋をじっくりと味わってほしいなと最近禿げてきた1カ月マンは思います。ただ、園内に喫煙所はないのでそこだけは注意です。

 

おそらく多摩動物公園で最も気合の入ったコーナーがチンパンジーゾーン。

 チンパンジーゾーンには10匹くらいのチンパンジーの集団が群れを成しており、各々が草の棒を持ちせわしなくウロチョロしていた。別名チンパンジーの森というらしいが、気合の入れようはツキノワグマのおよそ10倍以上あり、その成果もあってか見物人数はクマゾーンの比ではなかった。

 チンパンジーゾーンは堀を挟んで正面から見る場所がある。目印は以下の写真の、動きもしなければ、望遠鏡でもない純然たる筒が置いてあるのでわかりやすい。

 「この筒」と銘打たれた謎の設置物は、赤瀬川源平あたりがサクッとこしらえた現代アートのたぐいだと言われればそんな気がしてくる。

 一方で、この筒はもともとチンパンジーの柵の内側に設けられていたという説もある。チンパンジー達の好奇心や探求心を刺激しようと設置したが、「さすがに舐めないでほしい」と一同結託したチンパンジー達からうんこすら投げつけられないシカトストライキを起こされたため、やむなく撤去する羽目に陥った。しかし、廃棄するのもったいないのでほとんどチンパンジーである我々人類の側に設置しておけば、あほがのぞき込んだり、血圧計と勘違いして腕を通したり、何らかの象徴を読み取ろうとしてくれるはずだ!と考えた園長が、一か八かでこちら側に置きなおした。そんな気もしてくる。

 どちらにせよ、動物園側から我々にたたきつけられた挑戦状であることに変わりはないと一カ月マンは感じたので、最終日にはバンプオブチキンのボーカルを連れてきて、この筒の空洞部分めがけて天体観測を歌ってもらうことで、この筒に望遠鏡としてのプライドを少しでいいから取り戻してほしいと願っている。そして園内が静まり返った午前二時、この筒から見える夜空の向こう側に一筋のほうき星が流れることを、そしてその星々がこの星の悲しみを穿つことを、心から切に願っている。